構造改革 structural reform 2004 6 7
日本には、三つの過剰がある。
その過剰とは、過剰な債務、過剰な設備、過剰な雇用であり、
だからこそ、構造改革を推進しなければならないと聞きます。
しかし、それは、本質的な理由ではありません。
構造改革を推進しなければならない「本質的な理由」があるのです。
それは、人口構造の変化です。
たとえ話をしましょう。
会社では、役職の構造が、こうなっているはずです。
係長の数よりも課長の数の方が少ない。
課長の数よりも部長の数の方が少ない。
つまり、役職が高くなるほど、人数が減っていくでしょう。
要するに、会社の役職の構造は、ピラミッド型になっているのです。
しかし、たとえば、
係長の数よりも課長の数の方が多い。
課長の数よりも部長の数の方が多い。
こういう会社は、あり得ないでしょう。
こんな会社があったとしたら、倒産しているでしょう。
ところが、現在の日本の人口構造は、そうなっているのです。
つまり、日本株式会社が、「倒産」の危機にあるのです。
倒産の危機にあれば、会社は、リストラを進めるでしょう。
だから、日本株式会社も、リストラという「構造改革」を推進する必要が出てきたのです。
かつての日本は、人口構造がピラミッド型でした。
このような状況があったからこそ、年功序列が可能だったのです。
つまり、年を取れば取るほど、
役職が高くなり、給料も上昇したのです。
しかし、ピラミッド型の人口構造という大前提が崩壊した現在は、
こうした年功序列は成り立たなくなってしまったのです。
これからの時代は、「大競争時代」となるでしょう。
年功序列という制度が、過去にあったのかと語られる時代が来るでしょう。
もう一度、言います。
会社の年功序列が維持できるのは、
ピラミッド型の人口構造がある時だけです。
ここで言う「会社」には、日本株式会社も含まれます。
もう一度、年功序列という安定した生活に戻りたいならば、
人口を増やして、ピラミッド型の人口構造にすることです。
今の人口構造では、実力主義となります。
つまり、年齢には関係なく、実力のある者が、成功していく社会です。